ベストセラー「一億人の英文法」を英語初心者にはおススメできない理由

私が中学1年生の内容から英語をやり直し、初めてTOEICを受けるまでに使用した参考書は以前の記事にて紹介したとおりです

しかし実際には途中で挫折して英語の勉強をやめようと思った最初の1冊があります

一億人の英文法です

この本はカスタマーレビューや英語系Youtuberの評判が非常に高く

最初からこの本だけやっておけば良かった“、”学生時代にこんな本があれば良かった

などこの本を強く勧めるコメントが目立ち、私もこの本を購入することに決めました

今回は、実際にこの本だけで英文法を学ぼうとした私の体験談を共有いたします

もちろんこの本の評価が非常に高いことは承知しておりますので、この本を貶める意図は全くありません

英語の参考書については学習者のレベルや相性に大きく影響されると思いますので、

私のように「こんな評価の高い本で理解できないなんて英語に向いてない」と挫折する人が少なくなればいいとの思いです

使ってみて合わなければさっさと見切りをつけて他に移ればよかったのです

それではよろしくお願いします

対象とする学習者レベルが謎でチグハグ感あり

改めて申し上げるまでもありませんがこの本は「一億人の英文法

さらにキャッチコピーとして”すべての日本人に贈る“とあり、

また前文でも”中学生から大学受験生“、”一冊ですべてをまかなうことができる“など

英語初心者も対象としていると思わせるようなタイトル・コピーとなっています

ところがこの本、実際に読み進めていくと学習者にある程度の文法知識があることを前提に構成されていることが分かります

The guy surrounded by girls over there must be Dan.

上の例文は本書のChapter1 Section1 で出てくる例文です

下線の部分までが主語となり surrounded 以下は The guy を修飾しています

著者自身が「最初から順に読むことを基本」と謳っていますが、主語を過去分詞で修飾する使い方を学ぶのがChapter12 Section4 で約450ページ後の話です

上記のように初心者に配慮した構成とはなっておらず、分からないことが非常にストレスになりました

また、単語についても delinquent(非行の)など大学受験までではなかなかお目にかかれない単語が多く使われており、英文法よりも単語を調べている時間も無駄にストレスとなります

知らない単語を学べてお得じゃないか、という意見もあるかもしれませんが、それをいうなら最初から多読・多聴の勉強で単語も英文法も含めて勉強したほうがよいという結論になります

個人的には学習者のレベルに合わせた単語帳を別に買うので、英文法書はかんたんな単語を使って英文法に集中できる方が使いやすいと思います

以上のことから、この本はある程度の英語レベルがある読者を対象としており、出版社側の責任もあるとは思いますが、初心者向けかのような売り方に疑問を感じました

我慢して3周したが理解できず挫折

意外と説明がゴリ押し

まず本書は講義型の参考書となっております

Evergreen(旧Forest)などと比べると、網羅性を犠牲にしてその分を説明に多くページを使用している印象です

英文法の学習で重要なことは使えるようになること、つまり徹底した反復トレーニングが必要となります

その点については問題演習型や辞書としても使える網羅性の高い参考書の方が使いやすいです

では、あえて講義型の参考書を使用するメリットは何でしょうか?

それは分かりやすさだと思うのです

難解な英文法を鮮やかな解説で読者に印象付ける、理解を助ける

そうすることで英語を使えるまでの反復回数を減らしてくれるはずです

ところがこの本、解説に”カンタンだよ“などゴリ押しじゃないかと思われるような説明も多くみられ、また”イメージ“で片付けられていることもあります

look through(よく検討する)は through端から端まで のイメージから派生しているそうですが、実際に look through の問題を解くと「端から端まで見るのだから”調べる”」と間違えてしまいました(”調べる”は look into

著者の説明するイメージを正しく身に付ければ暗記していなくても正しい解答が導き出せるのかも知れませんが、すくなくともこの本を3周したぐらいではそのような感覚は身に付きませんでしたし、おそらく本書内ではそのような完璧なイメージの解説はなされていません

後にネクステなどをやって暗記した用法については読み返すと「なるほど」と思えるものもありましたので、結局は暗記したものを角度を変えて説明されると”そんな楽な覚え方があったのか“と感心した読者によりレビューが高くなる面もあったのかなと感じます

また、解説の日本語もやや癖があり分かりにくいですので論理的に理解したいという方には向きません

文法用語、文型の学習は避けられません

本書の特徴として、文法用語や文型の説明を出来るだけ避けるような構成になっています

しかし結局のところ問題演習や英会話のための反復練習をやるためには本書だけでは圧倒的に量が不足しますので他の本をやることになります

その際にほとんどの参考書は文法用語や文型を用いて説明されていますので、二度手間になってしまいます

特に文型については、従来型の文型を使用しないというだけで、本書独特の文型を別に覚えなくてはなりません

  1. 多動詞
  2. 自動型
  3. 説明型
  4. 授与型

序盤に上記の文型の説明があり、それを前提に解説が進みますので余計に学習者の負担となっています

さらには英語学習に必須の品詞に対する説明もないのは不十分な内容ではないかと思います

話すための英語?音声は別売り?

本書では、話すための英語学習を目的としており、何度も音読することを勧めています

ところがこの本、本書単独では音源が付いていません

これはコンセプトと合っておらず、未完成のコンテンツと判断されても仕方ありません

私は別途アプリで有償にて購入しましたが非常に使いづらかったので止めてしまいました

CDブックも販売されているようなのでどうしてもこの本をやりたい方は音源も入手された方がよいかと思います

英文法の歩き方は秀逸

私のように本当に英語初心者にとっては本書の説明は難解でしたが

Chapter0 の 英文法の歩き方については非常に分かりやすく感じました

英語の本質が「配置のことば」であることが納得できましたし、すぐに話せるようになるのではないかとわくわくするような期待感を感じさせてくれました

英語初心者でも平易な英文を使用されていますので安心です

逆にいえば、購入をご検討される方はこの Chapter0 以外の項目を読んで、よく理解できそうか検討したほうがよいと思います

結論 大学受験までの英文法がある程度習得できている方で伸び悩んでいる人向け

初心者には解説や構成が不親切に感じますが、最初に他の参考書で学習を進めることにより、既に知っている文法項目についてはすっきり理解することができます

角度を変えて説明されるので理解が補強される可能性はあると思います

その点では英文法に伸び悩みを感じている方、英文法は理解しているが会話に活かせない方がブレイクスルーをおこすきっかけになるかもしれません

実際にレビュワーの評価が高いという事実から、ある特定の層には効果があると思われます

しかし初心者がいきなりこの本を使うと高確率で挫折するのではないかと思います

私も本書については諦めて、まずは中学英文法書を完璧に、さらに高校英文法の薄い本と問題集を何度も繰り返した方が、イメージ英文法に頼るよりも早く習得できました

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